いつもありがとうございます。
京都/城陽の猫背矯正の専門家のいる治療院、中村鍼灸接骨院です。
前回の「活性酸素」、前々回の「酸素」で酸素の重要性をお伝えしました。
今回はその酸素と切っても切れない関係の「ミトコンドリア」についてお話しします。
ミトコンドリアとは?
ミトコンドリア、名前くらいは聞いたことがあると思います。
(おそらく理科・生物などの授業で習ったかな?)
最近はTVなんかでも取り上げられていることが多いようです。
それは、そもそも人間の病気の改善と予防や、若さと長寿はこのミトコンドリアが重要な鍵となるからです。
今では、世界の長寿研究はミトコンドリアが中心になっているほどです。
ミトコンドリアは細胞小器官と呼ばれる、細胞内の分化した機能を持つ器官で、
独自のDNAを持っているので、細胞内で分裂・増殖することが出来ます。
名前の由来は「mito=糸」「chondrion=粒子」の合成語で、単体形では「ミトコンドリオン」と呼ばれ粒子状ですが、
分裂して複数形になると「ミトコンドリア」と呼ばれ、それぞれが酵母でつながり糸状になる事から名付けられたそうです。
人の細胞の中には、約100~3000個存在し、エネルギー代謝に関わる細胞ほど数が多くなります。
例えば同じ骨格筋でも、遅筋は筋繊維の体積の10%、速筋は5%程がミトコンドリアと言われています。
瞬発系の運動に向いている速筋は、あまり酸素を使わないため、体積は大きく毛細血管が少なく、
時給系の運動に向いている遅筋は、効率よく酸素を取り込めるように、体積は小さく毛細血管が多くなっています。
そのため、酸素が多く、エネルギー代謝の良い遅筋にはミトコンドリアが多く存在しています。
ミトコンドリアの役割
ミトコンドリアの最大の役割は、なんといっても「エネルギー生産」です。
以前「肩こり」の回でも説明しましたが、食事から取り入れた栄養素(糖質・脂質・蛋白質)を
呼吸で取り入れた酸素を使って燃焼することによってアデノシン三リン酸(ATP)というエネルギーを産生しているのがミトコンドリアです。
そして、このATPのおかげで人間は生命活動を維持しているため、もし身体からミトコンドリアが無くなってしまうと生きていく事は不可能です。
そのほかの役割としては、コレステロールからステロイドホルモンを生合成したり、鉄とアミノ酸からヘムというヘモグロビンの材料を合成したり、
細胞内のカルシウムや鉄の濃度を調節したり、代謝水を生成したり、活性酸素を除去したりなど様々な働きをしています。
ミトコンドリアと老化
ミトコンドリアは、約60兆個と言われる人間の細胞のほぼ全てに平均300~400個ほど存在し、体重の10%を占めると言われています。
その中でも脳、心臓、肝臓、骨格筋(筋肉)にはミトコンドリアが多く存在しています。
それは、それだけ多くのエネルギー需要のある場所だからです。
しかし、年を重ねるごとに、ミトコンドリアは減少したり、質が落ちたりしてしまいます。
これは、年を重ねるにつれ、身体を動かすことが少なくなり身体が「エネルギーはいらない」と判断してしまうからです。
ミトコンドリアの数が減ったり、質が落ちると、脳、心臓、肝臓、筋肉の機能が大きく低下してしまい、
ケガしやすくなったり、疲れやすい身体になります。
また、ミトコンドリアの中には活性酸素消去酵素(スーパーオキシドディスムターゼ2)が存在するため、
ミトコンドリアの数が減ると、体内の活性酸素量が増え不調や老化につながります。
ミトコンドリアを増やすには?
老化にとても深く関係しているミトコンドリアは、年齢に関係無く増やすことが出来ます!
いくつかの方法を紹介します。
定期的な運動
運動の中でもオススメは、「少しきつめの有酸素運動」です。
ミトコンドリアはATPを生産しています。
このATPが全然足りない状況を作ることで、ミトコンドリアの分裂を促すことが出来ます。
走れる場合と、走れない場合の2パターンあります。
ご自身の体力にあわせて行ってみて下さい。
走れる場合
① 30秒間走る(すこし早めのスピード)
② 1分ほど歩きながら息を整える
③ ①②を3~4回繰返す(汗がにじみ出てきたらOK)
④ 20~30分ほどジョギングやをーキングをする
走れない場合
① 3分間普通に歩く
② 3分間早歩きをする
③ ①②を5回繰返す
これらの運動を行うことで、細胞内のATPがなくなると、ミトコンドリアの働きを監視する酵素のスイッチが入り、
ミトコンドリアの分裂が始まります。
姿勢を良くする
ミトコンドリアは背中や太ももなどの姿勢を保つ筋肉に多く存在します。
その為、姿勢を良くして姿勢を支持する筋肉を正しく使えるとミトコンドリアは増えると言われています。
ただ、現代では日本人の7割が猫背といわれていて、支持筋を正しく使えない人が非常に多いです。
それでも意識すれば、ある程度は姿勢を良く出来ると思いますが、
少し時間が経てば元通り・・・そんな人がほとんどではないでしょうか?
中村鍼灸接骨院では、そんな人たちのために「猫背矯正」をしています。
当院の猫背矯正の特徴は、意識しなくても良い姿勢になってしまうんですw
もちろん、1日に何回も姿勢を意識できれば、その回数分ミトコンドリアの分裂スイッチを押せてるのですが、
意識しなくても良い姿勢をキープ出来ていれば、スイッチは押しっぱなしの状態です。
実際に、中村鍼灸接骨院で猫背矯正を受けられている方の中に、
姿勢が良くなってからマラソンのタイムが良くなった方や、スポーツ後の疲れ方が変わったという方もおられます。
良い姿勢を手に入れ、ミトコンドリアを増やしましょう。
食事
ミトコンドリアを増やすために重要なことは、身体に「ATPが足りない」と感じさせることです。
かといって無理な食事制限は、身体の負担になってしまいます。
ここで重要なことは、身体が「エネルギーが足りない」と感じること、
つまり、「空腹」を感じるということです。
逆に、毎回満腹になるまで食べていると、身体は「エネルギーが余っている」と感じミトコンドリアは減ってしまいます。
ですので、出来るだけ食事は「30分くらいかけるつもりで、ゆっくり良く噛んで、腹8分目」を心がけて下さい。
また、ミトコンドリアの働きを助ける成分のピロロキノリンキノン、ALAなどを多く含む納豆や赤ワイン、甘酒、酒粕などの
発酵食品をとるのも良いです。
寒さを感じる
身体が冷えると、冷えた身体を温めるための「エネルギーが必要」になります。
そのため、ミトコンドリアの働きが活発になり、分裂が始まります。
寒い時期にスキューバダイビングやサーフィンなどをしていると、最初は寒いのですが途中からポカポカしてきます。
これはミトコンドリアが活性化した為です。
でも、なかなかそんなことは出来ませんよね?w
お手軽な方法としては、サウナ後に水風呂に入ったり、
普段自宅で入るお風呂やシャワーの最後に、肘先・膝先に水をかけるのも良いですよ!
ただし、高血圧の方や心臓に異常のある方などは専門医に相談してから行って下さい。
まとめ
- ミトコンドリアは細胞小器官と呼ばれる、細胞内の分化した機能を持つ器官
- 約60兆個と言われる人の細胞のほぼ全てに平均300~400個ほど存在する
- 人の病気の改善と予防や、若さと長寿に深く関係している
- 一番の役割は「ATPというエネルギーの生産」
- ミトコンドリアは、身体が「ATPが足りない」と感じると増え、「ATPが余ってる」と感じると減ってしまう
いつも中村鍼灸接骨院でお話しするケガのしにくい体作りのための3つの要素
「姿勢」「水分」「酸素」ですが、実はこれはミトコンドリアの為と言っても過言ではありません。
ミトコンドリアでATPを生産するために、酸素オイルで「酸素」を取り込めるようにし、
ミトコンドリアにしっかり酸素を送り届けれるように「水分」を摂取し、
ミトコンドリアが増えるように猫背矯正で「姿勢」をよくする。
もちろんそれ以外の目的もありますが、ケガのしにくい身体作りにはミトコンドリアは本当に大切です。
皆さんもミトコンドリアを増やすための活動「ミト活」を試してみて下さい。w