交通事故のケガの治療! 接骨院がおすすめなワケとは!?

どんなに気を付けていても、ある日突然、交通事故に遭ってしまうことは誰にでもありえます。
事故で負ってしまったケガや傷みの治療は、基本的には自賠責保険が適用されるので、患者さんの窓口負担はゼロです。
ところで、ケガをしたらまずは病院……というイメージの方は多いでしょう。
でも、「長時間待たされて、診療は3分」などと揶揄されがちな病院より、手厚く親身にみてもらえる接骨院や整骨院を選ぶ人は実は多いのです。

この記事では、交通事故でのケガを接骨院や整骨院で治療することがおすすめな理由についてご紹介しています。

交通事故のケガで一番多いのは、むち打ち症

交通事故によるケガといえば、まずむち打ち症を思い浮かべる方、きっと多いですよね。
むち打ち症は、交通事故による衝撃で、首がムチのようにしなるほど強い力が加わって負ってしまう、いわば首のねんざです。
車同士の衝突のほか、電柱などへの衝突などでも負うことがあります。

実際、交通事故での軽症なケガのみに限定して調査してみると、トップの55%は、むち打ち症に代表される頸部のケガだったとされています(令和2年度中に発生した交通事故についてまとめた政府統計の『道路の交通に関する統計/交通事故の発生状況』による)。
しかし、一口にむち打ち症といっても、その症状は実に多種多様。
首から肩にかけての痛みや首の可動域の制限のほか、頭痛や肩こり、めまい、腕や手指のしびれ、睡眠障害、うつなどの症状などいろいろあるのです。

また、むち打ち症は、事故直後には何もなかったのにしばらく経ってから症状が出てくる、というケースもあって油断はできません。
交通事故では、日常生活で起こるほかのケガと違い、衝撃の大きさからより深い部分を損傷してしまうということがままあります。
むち打ち症などはその代表例。
首の軟部組織の損傷なので、時間の経過とともに首の痛みが出たり、動かしたら痛い、首が回らない、肩が重い、などの症状が出てくることがあるのです。

放置すると、将来にわたって痛みなどに悩まされることがあり、早めに適切な施術を受けるのが賢明です。
なお、むち打ち症の一般的な治療期間は1~3か月ほど。
とはいえ被害者の年齢や状況によって治療期間は変わりますので、具体的な治療期間は主治医に相談しましょう。

むち打ち症の一般的な治療内容

むち打ち症にはいくつか治療方法があります。
代表的なものを5つご紹介します。

◆牽引療法

徒手や機械などで頸部を引っ張る治療法。
引っ張ることで頸部の神経の圧迫が緩和されて血行が良くなり、症状の緩和が期待できます。

◆電気療法

患部などに電気による刺激を与える治療法。
刺激により頸部の神経の圧迫が緩和されるので、血行が良くなって症状が緩和することが期待できます。

◆温熱療法

ホットパックなどで患部や筋肉を温める治療法。
温めることで血行が良くなるので、症状の緩和が期待できます。

◆運動療法

頸部などの関節が拘縮しないよう、可動域訓練を行ったり、筋肉が弱って補足ならないよう、筋力強化のための運動を行う治療法です。

◆ブロック注射

むち打ち症の痛みがひどい、しびれが強いなどの場合、神経ブロック注射を打つ方法もあります。
ブロック注射は局所麻酔で、神経や神経の周辺に駐車することで痛みをなくす効果が期待できます。

むち打ち症は自己判断での治療は避けるべき

むち打ち症は、症状が軽いからといって自己判断で患部を温めたりほぐしたりするのは危険です。
特にむち打ち症を負ってすぐは急性期と言われ、患部の炎症はまだ治まっていません。
そのときは症状が軽くても、あとで急変することはよくあります。
また、急性期の間は患部が炎症を起こしている最中なので、自己判断で温めたりほぐしたりするのは避けましょう。

むち打ち症の症状が後から出てくるケース

むち打ち症は、交通事故に遭ってすぐの場合、興奮状態やショックから症状を感じにくいことがあります。
また、日常生活でとっている何気ない姿勢などから患部に負担がかかり、徐々に症状が強くなっていくというケースもあります。
そのため、日を追うごとに痛みなどの症状が強くなったり、事故から数日、もしくは数週間経ってから症状が出るということも珍しくないのです。

もし、交通事故からしばらく経ってからむち打ち症のような症状が出てきたら、楽観視せず、接骨院や整骨院、病院などに相談するのがおすすめです。

むち打ち症や打撲、ねんざの治療は、接骨院や整骨院での施術が有効

むち打ち症の治療で整形外科などの医療機関を受診すると、痛みやしびれの解消のために、痛み止めや筋弛緩剤などの投与や頚椎カラーを付けるなどの治療が行われるのが一般的です。
しかし、こうした治療はいわば対処療法。
痛みの根本的な原因へのアプローチとは言えないでしょう。
痛みは、その原因を取り除かないと症状が長く続くことがあります。

つまり、むち打ち症の症状がなかなか治らないケースでは、首以外の場所にも原因がある可能性が考えられます。
こうしたケースでは、病院よりもむしろ接骨院や整骨院での施術の方が有効でしょう。
接骨院や整骨院の施術では、症状が出ている場所だけでなく、原因となる場所を身体全体から探します。
むち打ち症だと来院した患者さんの身体を丁寧に調べたら、骨盤の歪みや姿勢の悪さが首への負担を増幅していたというケースも実はよくあるのです。
このケースでは、接骨院や整骨院の場合、骨盤矯正などの施術を行って首への負担を減らし、むち打ち症の早期回復を目指します。

一方、整形外科などの病院での受診では、レントゲンやMRIなどの画像診断に基づく治療を行うため、画像に異常として見えてこない原因への治療は行えません。
筋肉などは、異常があってもこうした画像には写りません。
接骨院や整骨院では、レントゲンやMRI画像には現れない筋肉、筋膜、靭帯や腱といった軟部組織の異常や症状について、患者さんから丁寧に話を聞き、身体全体を点検することで原因を突き止める方法をとるので、症状を改善に導く施術が可能なのです。

そのほか、交通事故で負うことが多い打撲やねんざについても、接骨院や整骨院で治療を受けることができます。
この打撲やねんざについても、同じように治療費を保険会社に請求することができるので安心です。

病院と比べ、通いやすく相談しやすい

接骨院や整骨院の施術師は、患者さんの症状の原因を調査するため、症状について丁寧に患者さんの話を聞き取ります。
そのため、患者さんが気持ちよくすべて話せるよう、話しやすい環境づくりを心掛けているところが多いのです。
また、基本的に予約を入れた時間を守って診てもらうことができるので予定を立てやすい。
さらに、平日は夜遅くまで、そして院によっては土日や祝日も営業しているところもあり、その通いやすさから患者さんにもよく選ばれていると考えられます。

一方の病院は、予約を入れていても場合によっては数時間と待たされるケースはよくあります。
日曜や祝日はお休みですし、平日の通院も仕事を休むなどして時間を作らねばならず、非常に通いづらいと言えるでしょう。
お医者様も、相談しやすい方に当たることはあまり期待できません。
切り傷や擦り傷と違って、むち打ち症などは状態が目に見えないため、症状や異常を医師にうまく伝えられないこともあるでしょう。
その点、接骨院や整骨院の施術師なら、なんでも話しやすいので安心ですね。

治療費の心配はいらない

接骨院や整骨院では、自賠責保険の範囲内で施術を受けられます。
ただし上限は120万円ですので注意しましょう。
しかし、状態によっては金額をオーバーしてしまうこともあるでしょう。
上限を超える部分の賠償金については、事故の相手方(加害者側)に請求することになります。

なお、被害者側に過失割合がつくと、その分慰謝料や損害賠償金が減額されます。
この場合は、自身が加入している保険会社や相手方の保険会社などに一度確認するようにしましょう。

むち打ち症の治療の通院ペース

むち打ち症の治療を接骨院や整骨院で受ける場合、通院ペースは症状によっても異なります。
特に症状が強い始めのうちは、週に3~4回、症状が落ち着いてきても完治するまでは引き続き月に一度以上は通院した方がよいでしょう。

治療期間は一般的に1~3か月ほどかかり、症状によっては半年かかるケースもあります。
しかし、「通院が面倒」、「治ってきたような気がするから放置」などと、自己判断で通院をやめてしまうのは危険です。
その理由には2つあり、ひとつは、通院の間隔が空いてしまうと、完治や症状固定が遠のいてしまう可能性があること。
症状固定とは、これ以上施術してもよくならない時点、最大限の痛みが緩和された状態のことです。
完治しないまま自己判断で放置すると、その後の日常生活で思わぬタイミングで痛みや不具合が出てしまう可能性があり、おすすめしません。

もうひとつの理由は、通院の間隔が1か月以上など余りに空いてしまうと、保険会社から施術費用の支払いを打ち切られてしまう可能性がある点です。
不正請求などの事件をよく耳にする昨今、保険会社もそうした憂き目に遭わないよう、審査も厳しいです。
通院しなかった期間が余りに長いと、保険会社に交通事故と施術費用の関係性は薄いと考えられてしまう可能性があるので注意が必要です。
保険会社に支払いを打ち切られてしまうと、その施術がたとえ事故によるケガに関係があるものだとしても、医療費は全て患者の実費になってしまいます。
それだけではなく、慰謝料の請求でもデメリットとなってしまうため、必ず通院ペースは守るようにしましょう。

保険会社に治療費の打ち切りを打診されても、治療は続けたほうがいい

交通事故で生じた痛みやしびれの症状は、場合によっては長引いてしまうこともあります。
そんな時、治療費を立て替えてもらっている保険会社から、「これ以上の治療は意味が無いようなので、治療費の支払いを打ち切る」などと打診されるケースが残念ながらあります。
なぜなら、保険会社には、交通事故で負うケガについて設定している治療期間というものがあり、それによるとむち打ち症はおおよそ3か月ほどとされているためです。
つまり、事故に遭ってから3か月を過ぎると、治療費の支払いの打ち切りを打診される可能性が出てくるというわけです。
もちろん、治療の終了を決めるのは保険会社ではありません。

そのため、打ち切りを打診されたらまずは主治医に相談しましょう。
「症状固定」がいつになるのかを確認し、治療がまだ続くことを相手の保険会社に伝えることで、打ち切りを伸ばせることがあるのです。
症状固定とは、これ以上治療を続けても改善や回復は見込めないと思われる状態のこと。
もし保険会社から治療費支払いが打ち切りされても、症状固定になるまでは治療を続けた方がよいでしょう。
特に後遺症が残ってしまった場合は、半年以上の通院が必要になることも。
支払いは自費になってしまいますが、その都度領収書を必ず保管しておき、後から、相手方の保険会社の方に治療費を請求することになります。
そこでもし支払いを断られた場合は、いよいよ訴訟などで争っていくことになりますので、弁護士などに相談するようにしましょう。

慰謝料の金額は病院でも接骨院でも変わらない

交通事故では、被害者はケガを負うだけでなく、苦痛や恐怖による強い精神的苦痛を受けます。
その苦痛に対して請求できるのが、慰謝料。
慰謝料には2つあり、ひとつは通院慰謝料、そしてもう一つは後遺障害慰謝料です。
通院慰謝料は、事故による苦痛は通院期間が長いほど大きいと判断され、通院期間に応じて高額になるタイプの慰謝料です。
一方、後遺障害慰謝料は、事故によるケガで後遺症が残った時に請求できる慰謝料になります。
後遺障害慰謝料の請求には後遺症診断書の提出を求められることがあるので、後遺症が心配されるケースでは予め保険会社に確認するとよいでしょう。

接骨院や整骨院での治療は、病院のように医師が行うのではなく柔道整復師による手技や施術なので、慰謝料が安くなってしまうと心配される方もいらっしゃいます。
しかし、病院に通院しても、接骨院や整骨院に通院しても、交通事故によるケガで精神的苦痛を受けたことに変わりありません。
そのため、接骨院や整骨院への通院だからと慰謝料を減額する理由にはならないのです。

整体院での治療は補償されない

接骨院や整骨院と名前がよく似ている、整体院。
整体院によっては、むち打ち症への施術をしてくれるところもあります。
しかし整体院での施術は、治療とは認められない可能性があり、つまり保険会社に費用や慰謝料を請求できない恐れがあることから、あまりおすすめできません。

理由は、整体師は国家資格ではないため。

同じ理由でカイロプラクティックも国家資格ではないので、治療費は請求できない可能性があり、注意しましょう。
一方、接骨院や整骨院の施術師は柔道整復師という国家資格のため、治療費を保険会社に請求できるのです。
なお、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師なども国家資格です。
これらの施術を受けることについて医師の許可を得られた場合、保険会社に施術料を請求できるでしょう。

保険会社とのトラブルは弁護士などに相談しよう

交通事故のケガの治療で接骨院や整骨院に通院しているケースで、もし相手側の任意保険会社とのトラブルに巻き込まれてしまったら。
その場合は弁護士などに相談するとよいでしょう。
負ったケガがむち打ち症のみの場合でも、弁護士に示談交渉の代行を依頼すると、入通院慰謝料が大きく変わる可能性があります。
また、弁護士などに一任することで保険会社との交渉すべてを任せることができるので、治療に専念でき、ストレスが大きく軽減されるでしょう。

弁護士費用については、ご自身が加入している任意保険に弁護士費用特約が付帯されている場合は、例外はありますが、自己負担なしで弁護士に依頼することができます。
この特約を使ったからと言って翌年からの保険料が値上がったりすることはありません。
弁護士特約が無い場合でも、弁護士が介入することで慰謝料などの増額が期待できることがあります。
回収できる費用が増えれば、それで弁護士費用を賄えることもありますので、特約が無くても弁護士に相談してみるとよいでしょう。

まとめ

交通事故のケガで最も多いとされる、むち打ち症。
接骨院や整骨院では、患者さんの症状の訴えを丁寧に聞き取り、患部だけでなく痛みの原因を細かに診断してくれるので、適切な治療により、症状の早い改善が期待できます。
同じく、交通事故で多いねんざや打撲についても接骨院や整骨院で治療してもらうことができ、治療費用は保険会社に請求することができるので安心です。